スーツケースの金属製コーナーパッドと樹脂製プロテクターの違い
「こちらのお店でトラベリストのトラストというハードのキャリーを買ったのですが、ネットショップの写真ではメタルっぽいコーナーパッドだったのに、実際に届いたものはプラスチックにメッキで着色されたものでした。頑丈な金属のコーナーパッドだと思ったので購入したのですが、これはB級品ですか。」
本日も頂いたご質問にお答えいたします。コーナーパッド(プロテクター)付きのスーツケースをご購入いただいて、届いたものが樹脂のパッドだったということですね。
まず、当店で取り扱っているものは全て正規品であり、B級品や類似品やニセモノは一切ございません。正規品で検品時に微細な問題があったものなどはアウトレットのコーナーで値引き販売しております。
従いまして、お届けしたものは全く問題のない商品となります。ご購入いただきましたスーツケースのコーナーパッドは、はじめからABS樹脂素材のものとなっております。
確かに仰るとおり、スーツケースのコーナーパッドには金属製のものと樹脂素材のものがございます。金属製のほうが頑丈であると見られがちではありますが、実際にはメリット・デメリットがございますので以下で解説いたします。
スーツケースのコーナーパッドの意味と意義
以前の記事でも詳しく解説いたしましたが、キャリーバッグの角に付いているコーナーパッドは強度上大きな意味を持ちません。これが付いているとコーナーが破損しにくくなるということはありません。
どちらかと言うとデザイン上の意義が大きく、付いていると何となく丈夫そうに見えカッコイイという程度のものです。
したがって、そもそも金属製のパッドであれ樹脂製のパッドであれ、強度上の意義はほとんどありませんので、素材を気にする必要はございません。
金属製のメリット・デメリット
強度上大きな問題がない為、金属素材であるメリットはほぼございません。唯一、樹脂素材が割れることがあるのに対して、金属ですと割れる恐れがほぼ無いという点はあります。
しかし、割れない代わりに、薄い金属は受けた衝撃を跳ね返さず凹んでしまいます。弾性のある樹脂ですと一方から力を受けても押し戻そうとする力が働くのに対して、金属は衝撃を受けた方向に曲がって変形してしまいます。
このため、何度もコーナーをぶつけられると、どんどん凹んでベコベコになってしまいます。四隅の金属コーナパッドがボコボコに凹んでいると、非常に見窄らしく見えて見栄えが悪いので、あまりおすすめできません。
このあたりはボディ全体が金属製のスーツケースなどとも共通の悩みになります。樹脂と違って割れる恐れはないものの、へこみに弱く使っているとどんどんボコボコになってしまいます。
樹脂製のメリット・デメリット
金属と違って樹脂には弾性力がありますので、衝撃を受けても凹むことがありません。
ただ、想定以上の強烈な衝撃を受けると割れてしまいます。パッドが割れても、その下のボディが無償なら儲けものです。少しはコーナーパッドが役に立ったかなという瞬間です。
しかし、コーナーパッドに壊滅的な被害を及ぼすほどの衝撃の場合、大抵は下のボディ自体にもヒビが入ったり割れてしまうことになります。そのような異常に強い衝撃を受ければパッドが付いていても付いていなくても結果は同じです。
強烈な衝撃ではない少しぶつけられた程度では凹んだりしないのが樹脂製のパッドのメリットですが、デメリットが全く無いわけではございません。
メタリックな金属風のメッキなどが施されている場合は、ぶつけられたり引きずられたりすることで塗装が禿げて下地の樹脂の色がむき出しになってしまうことがあります。こうなってしまうと少し見栄えが悪くなります。
したがって、一番おすすめできるのは地味なマットブラックの樹脂製コーナパッドです。派手なメタリックカラーよりも地味なモノのほうが汚れにくいのはボディと全く同じです。ボディもパッドも地味なデザインのほうがおすすめなのです。
樹脂の質に注意
凹む金属よりも樹脂のバッドのほうがオススメであると述べましたが、一概に樹脂と言っても色々な種類があります。安物のスーツケースを購入すると、耐衝撃性に優れない樹脂のパッドが付いていることがあります。
こういった安物の樹脂でできたパッドは驚くほどよく割れます。1回航空会社に預ければどこかしらヒビが入ってしまうほどです。
一方しっかりしたメーカーの樹脂製コーナーパッドは、ポリカーボネートやABSなどの耐衝撃性に優れたスーツケースのボディと同じ素材が使われているため安心です。
ちなみに今回ご質問いただいた方の購入されたモデルはABS樹脂素材のパッドにメッキ塗装が施されたものですので、強度上何の問題もございません。むしろ金属製と違って凹まないので金属パッドよりも優れております。ご安心くださいませ。