スーツケースの内装生地を痛めないための正しい使い方

スーツケースをレンタルで貸し出していると、使うユーザーによって大きく消耗度合いが異なるものです。

外装が傷つくのは当たり前の話で、ユーザーの差異というよりは、空港でどのような取り扱いを受けたのかという運によるところが大きいため、破損しなかっただけありがたいと思うより仕方ありません。

ただ、内装の破損や汚れは、かなりユーザーによって差が出てきます。本当に使った後なのだろうかと思うほど綺麗な状態で返って来るケースもあれば、新品がボロボロにされて戻ってくるケースもございます。

内装がどれだけ汚れるのか消耗するのかという部分は、使い方次第で大きく変わってまいりますので、正しくきれいに使えばより長持ちさせることが出来ます。

ご自分で購入された場合は、汚れて損をするのは購入者の方ご自身ですので、なるべく丁寧に綺麗に使っていきたいところです。

本日は、スーツケースにものを収納する際の注意点について解説させていただきます。

堅く尖った重い物を収納する際は注意

普通に使っている分には内装の生地が破けてしまうようなことは稀ですが、角のある硬く重いものを直に収納すると内装生地を痛める可能性がございます。

鋭く尖ったものでなくても、家電製品で角が丸くなっていないものなど、すこし角がある角ばったものでも生地が破けてしまう原因になります。

スーツケースは海外の空港で荒い扱いを受け、何度もひっくり返ったり回転したりしますので、かなりビッチリ荷物を詰めないとスーツケースの中で荷物が動きます。この際に角が内装生地を引き裂いたり削ったりする恐れがあるのです。

したがって角のある荷物を収納する際は、直にキャリーバッグの中に入れるのではなく、タオルなどで何重かに包んでガムテープグルっと巻くなど角が内装生地に直接触れなような工夫が必要です。

仕切板のポケットに重過ぎるものを収納しない

内装の破損で割とよく見かけるのが、仕切板やXバンドのプラスティック製金具の破損やゴムバンドの切れです。

前述の通り海外の空港での荒い扱いで、スーツケースの中身は右へ左へ上へ下へ回転して、荷物の位置を固定するための仕切板などには大きな力がかかります。

仕切板にはファスナーポケットが付いているものが多く、ここに重い荷物を目一杯入れる方が意外と多いのですが、これは明らかに誤った使い方です。

この仕切板のポケットは、小さく見つかりにくい小物を入れておくためのもので、重い荷物を入れる場所ではございません。

仕切板のポケットにあれやこれやパンパンに荷物を入れると、仕切板を留めるためのプラ金具に大きな力が掛かり破損につながります。

仕切板のポケットには、重いものを詰め過ぎない用に心がけましょう。

またXバンドを力一杯キツキツに締める方がいらっしゃいますが、これもXバンドのプラ金具に負担がかかるので、過度にきつく締めるのは避けましょう。

化粧品やシャンプーなど液体の物はジップロックで2重3重に

一番多い内装の破損は、液体のシャンプーや整髪料などが漏れ出て内装生地を汚すパターンです。

プッシュ式のシャンプーなどの口をガムテープで塞いだ程度で収納する方がいらっしゃいますが、全く不十分です。

前述の通り海外の空港などでの荒い荷扱いで、旅行カバンの中身は何度も回転したり移動したりします。こうなると液体が漏れ出てしまうのは避けられません。キャップをきつく締めたつもりでも緩んでしまうことがあります。

液体は収納して良いものではないですが、どうしても入れる場合は2重3重にジップロックに入れてガムテープで閉じるなど、必要以上の措置が必要になります。

荷物の中に液体が溢れると、衣類など荷物が汚れ旅行が台無しになるだけではなく、スーツケースの内容生地も汚れて大変なことになります。旅行カバンの内装生地は外れないモデルがほとんどですので、洗浄するのも一苦労です。

液体だけではなく粉状のものも中でぶち撒けると後で大変なことになります。中を汚す恐れのあるものはなるべく収納しないようにしましょう。