シンプルなデザインとゴツい派手な形状のスーツケースはどちらが壊れにくいのか
「個性的なスーツケースが欲しいと思い探していたところ、男らしいゴツゴツしたデザインのスーツケースを見つけました。ゴツいので重いのかなとも思いますが、気に入ったので購入したいと思っています。こういうゴツいスーツケースに何か問題やデメリットなどはないのでしょうか?」
本日も頂いたご質問にお答えいたします。ゴツくゴテゴテしたデザインのスーツケースについてのご質問ですね。
結論といたしましては気に入ったのであればご購入頂いても問題ないと思います。鞄は自分の気に入ったものを購入するのが一番です。愛着も湧きますし。
ただ、再三に渡って申し上げてまいりましたが、スーツケースというものはデザインよりも強度などの実用性も重視しなくてはいけない商品です。海外の空港での鞄の扱いは荒いため、結構な確率で破損が発生します。
お問い合わせ頂いたモデルについては、実際に使用したことも見たこともございませんので、優れた製品かどうか申し上げることは難しいのですが、一般的にはゴテゴテしたものが付いていたり、複雑な造形のボディをしている方が壊れやすくなります。
シンプルなデザインのボディシェルが頑丈
ハードタイプのスーツケースのボディはポリカーボネートなどの耐衝撃性に優れた樹脂で出来ています。ポリカ100%の場合はかなり薄く出来ており、最近のハードケースは厚さ1ミリほどの樹脂の板を真空形成で成形して作られています。
この薄さですので、ただ単に箱状の形にしただけではペラペラで、手で押しただけでペコペコしてしまいます。そこで溝(リブ)をつけて強度を上げているのです。
ペラペラのコピー用紙も、山折り谷折りを交互に繰り返して蛇腹折りにすれば、上に少しだけ重量のあるものを乗せることが出来ます。薄いものでも溝を付けると強度が上がるのです。
したがって、ボディに付いた溝の形状や、ボディ自体の形状が強度に大きく関わるのです。単にデザインだけの問題ではございません。
一番頑丈なのは、角だけ丸まったシンプルな箱型のボディに、縦に平行にリブが入ったリモワの様なシンプルなデザインの形状です。変にこだわった複雑な造形のボディは割れやすい原因になりかねません。
変にゴツゴツの形状や、余計な装飾品が付いているものは、その部分が割れ易かったりいたしますので、特別気に入ったのでなければオススメいたしません。拘りがなければシンプルなデザインのものがおすすめです。
ここでお話しているゴツいスーツケースというのは、実際は薄いポリカーボネートの板で形成されているのに、ゴツゴツに見える複雑な形状のボディをしているものです。本当に分厚くてごっついものはおそらく頑丈です。その代わり重量も凄いことになりますが。
ただ、どうしても気に入ったデザインであれば、気に入ったものを購入するのが一番です。しっかりしたメーカー品でしたら、どのような形状でも最低限の強度は確保されているはずですので、愛着の湧く気に入ったものを購入するのが良いと思います。
変に出っ張ったパーツが付いていると壊れやすい
キャリーバッグは実に様々な形状のものが販売されていますが、中には樹脂のボディに装飾品が付いているデザインのものもございます。
例えばコーナーパッドなどは代表的な装飾品です。コーナーパッドは強度を上げる為の補強という意味合いよりも、デザイン上の装飾品という性格のほうが強いものです。
また、ボディが引きずられた際に、地面でボディ表面が削られることを避けるためのキズ防止パッドが付いているモデルもあります。一風変わったデザインで一部に人気があるのですが、こういった余計な装飾品が付いているとその部分が大きな力を受けて、ダメージを受けることが多いのです。
インナーフラットのスーツケースの伸縮ハンドルを格納する部分なども同じなのですが、ボディの変に出っ張った形状になっている所に力がかかると割れてしまう場合が多いのは事実です。
ポリカで形成されたボディシェルの形状の中で、曲げ半径の小さな急激な曲げになっている形状の部分に力が集中するような場合、割れが起こりやすくなります。
したがって、余計な装飾が付いていたり、無駄に出っ張っていたりする部分があるよりも、最低限のリブが付いたシンプルな箱型のボディに近いほうが頑丈になります。このあたりがシンプルで実用的なデザインの旅行カバンをおすすめする理由の一つになっております。
どうしても気に入ったのであれば好きなものを購入するのが一番ではありますが、特にこだわりがなければシンプルで実用的なデザインのスーツケースをおすすめいたします。