スーツケースを買ったら鍵が入っていない?ダイヤルロックのみのモデルですよ

「スーツケースを購入しましたが、鍵が入っていませんでした。不良品なので返品したいです。」このようなご連絡はしばしばいただきます。

メーカーチェックで漏れている可能性が有りますが、発送前には当店でもチェックしてからお送りしておりますので、滅多なことでは鍵の入れ忘れということはございません。極稀にあるかもしれませんが・・・

このようなご連絡を頂く場合は、ほぼ間違いなく最初から鍵の付属していないモデルのケースです。鍵が付いていないといっても、スーツケースにロック機能の付いていない防犯性皆無のモデルということではございません。

ロックは付いているのですが、差し込む鍵の付属していないダイヤルロックのモデルなのです。ダイヤルロックなら見れば分かりそうなものなのですが、ややこしいことに鍵穴は付いているのです。

最近のダイヤルロックには必ずと言っていいほどに鍵穴が付いています。ユーザーがロックする際には3,4桁のダイヤルロックを回してロックを行うのですが、ユーザーは使うことのない鍵穴が付いているのです。

ユーザーが使うことのない鍵穴のため、ここに差し込んで回す鍵は最初から付属していないのです。鍵がなくても不良品ではございません。

ダイヤルロック
こういったものです。3桁のダイヤルロックでロックを掛けますが、ユーザーは使わない鍵穴が側に付いています。

ユーザーが使わないなら鍵穴は何の為に付いているのでしょうか?

これは近年殆どのスーツケースに標準装備となったTSAロックのマスターキーの為の鍵穴です。アメリカの空港で空港職員が中身を確認する際に、TSA解錠ツールを鍵穴に差し込んでロックを解除して中身を確認するのです。

ダイヤルロックではない、通常の差し込んで回すタイプのシリンダーロックのスーツケースの場合は、ユーザーも使う鍵穴自体がTSA解錠ツールの鍵穴を兼任しますが、ダイヤルロックの場合はユーザーは鍵穴を使わない為わざわざTSA解錠ツール用の鍵穴が付いているわけです。

ということでダイアルロックの側に付いている鍵穴は、TSA解錠ツールの為のものなので、スーツケースのユーザーは使わないものです。したがってはじめからキーは付属していないのです。不良品ではございません。

ダイヤルロックは全てそうなの?

現在市場に出回っているスーツケースのダイヤルロックモデルですと、ほぼ間違いなく鍵穴は使わないものです。はるか昔はダイヤルロックと鍵穴に差し込むシリンダーロック併用のモデルもございましたが、現在ではほとんど見かけません。絶対に無いかは判りかねますが・・・

ダイヤルロックの側に鍵穴があったら、ほぼ間違いなくユーザーは使用しないものだと思っても問題ないと思います。当然、カギは付属していません。

ダイヤルロックは、ファスナータイプのスーツケース、すなわちファスナーハードケースやソフトケースに採用されていることが多いですが、ファスナータイプでもダイヤルではなく差し込んで回すタイプのシリンダーロックのモデルもございます。

その場合は、ダイヤルが付いておらず鍵穴だけが付いている状態ですので、ひと目で分かります。当然このようなモデルはシリンダーロックですので、ユーザーも差し込んで回す鍵を使うことになりますので、カギは付属していることになります。鍵が入っていなかったら不良品です。

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