個性的な柄物のスーツケースは汚れが目立つものなのでしょうか
先日柄物のスーツケースの修理のお見積り依頼を頂きました。その際に「柄物ですが、完全に元通りに直るのでしょうか?」とご質問を頂きましたが、柄物を美観まで含めて完全に元通り直すのは不可能であると思います。
そもそも当店の修理は、当店でご購入いただいた方向けのサービスとなっておりまして、当店で取り扱っていないモデルの修理は技術的にも不可能なため、スーツケース修理専門工場をご紹介させていただきました。
ただ、旅行かばんの修理を専門としている業者に修理に出したとしても、美観まで完全に修復するのは難しいと思います。
柄物ではない普通の単色のボディのスーツケースでも、美観まで含めて完全に元通りにすることは出来ません。修理を行っても、やはり修理してあるなということは分かります。
以前、某国内有名メーカーに修理依頼しても、直って帰ってきたものは明らかに修理した痕があるものでしたので、完全に綺麗に治すのは難しいのでしょう。
単色ですら完全に綺麗に直すことが出来ないため、柄物を完全に綺麗に直すことは不可能といえます。柄があるゆえに余計に修理跡が目立つことになると思いますが、これは柄物のスーツケースの宿命であるといえます。
そもそも柄物のスーツケースはどうなのでしょうか
ボディ割れや凹みなど、ボディの修理が必要になる時は美観を大きく損ねることになる柄物のスーツケースですが、そうでなくても普通に使用しているだけで美観を失っていく事になります。
スーツケースという製品は、使えば使うほどに大きく傷つき汚れていく宿命にあります。普通に荷物を入れて引っ張っている分にはあまり汚れませんが、スーツケースの用途として一番多い海外旅行では汚れは避けられません。
海外に行く際に飛行機を利用すると、航空会社に荷物を預けることになります。この際、空港での荷物の積み込みなどで荷扱いが荒い為、ぶつけられたり引きずられたりするわけです。
到着時に出てきたスーツケースは、預けた際よりも確実に傷んでいます。運良くダメージを負っていなくても、外装に傷の1つも付いていないということはあり得ません。
稀に奇跡的に、ほとんど傷がない状態で出てくるケースも有りますが、逆に新品のスーツケースが驚くほどズタボロになって出てくることもあります。このあたりは運なので受け入れるしかありません。
絶対に傷や汚れが避けられない以上、少しでも汚れにくいスーツケースを選ぶ事が必要になりますが、柄物のスーツケースはその対極にあるといえます。
柄物のスーツケースは、多くの場合は鏡面加工になります。鏡面加工とは表面が鏡のようにツルツルした加工です。表面がボツボツしたエンボス加工よりも、表面がツルツルした鏡面加工のほうが汚れやすいのは事実です。
表面が汚れても、黒っぽい色や紺色など暗めの色ですと、まだ汚れが目立ちにくいのですが、白やピンクなど明るい色や淡い色ですと汚れが非常に目立ちます。
美しい柄物ともなれば汚れの目立ちは更に大きく、特に明るい淡い色の柄物などは汚れが最悪に目立ちます。できるだけ淡い色の柄物は避けたほうが無難です。
どうしても柄物が欲しい場合は
新品の時は非常に美しく個性的ではあるものの、使っていく内に汚れてみすぼらしくなってしまう柄物ですが、どうしても個性的なスーツケースが欲しいという声があるのは確かです。
どうしても派手な柄物のスーツケースが欲しい場合は、機内持ち込みサイズのスーツケースを購入することをオススメいたします。
機内持ち込みであれば、投げられたり引きずられたりして、傷が付いたり汚れがついたりする恐れがないからです。
とはいえ、機内持ち込みサイズでは容量が足りない、欲しいモデルに機内持ち込みサイズが無いなど、預けなくてはいけないサイズのスーツケースを購入せざるをえない場合もあるかと思います。
そうした場合は、ピッタリ合うサイズのスーツケースカバーを購入しておいて、預ける前にスーツケースカバーをかけておくという手があります。
カバーを掛けておけば絶対に傷がつかない、汚れないということではございませんが、無いよりは間違いなく良い結果になると思います。
できれば柄物は避けて地味めな色のスーツケースを購入されたほうが良いとは思いますが、どうしても欲しい場合はカバーをかけるなどの工夫が必要になります。